訪問看護の開業に当たっての注意点

“訪問看護ステーションや病院・診療所の看護師等が、利用者の自宅を訪問して、療養上の世話や必要な診療の補助を行うサービスとして訪問看護があります。訪問看護は、対象者となる要介護者や要支援者が増加傾向にあることから高いニーズがあり、サービスの対価は介護保険から給付されるために開業を計画する人も多く存在します。しかし、開業には注意点があることも認識しておく必要があり、大きな内容としては申請条件、資金面があります。また、他にも申請書類作成においては、定款の事業目的の記載、損害賠償保険加入の書類の提出、賃貸借契約書の提出などポイントとなる点があり、特に、事務所を借りて開業をする場合には注意が必要になります。訪問看護では開業後においても運用面で注意をする必要があり、収支決算に関して十分に配慮をした上で運営を行うことが重要になります。

開業における条件面での注意点について

訪問看護の開業にあたっては様々な条件を満たす必要が求められますが、まず1つ目の注意点として申請者は法人格である必要があります。形態としては株式会社や合同会社、NPO、社会福祉法人等が該当しますが、個人事業としては指定を受けるはできません。また、既に法人となっている場合には定款や登記簿謄本に介護事業を加える必要がり、そのままの状態では認めらないために注意が必要になります。2つ目としては人員の配置があります。条件では事業所ごとに常勤換算で2.5人以上の訪問看護員の配置が求められており、仮に2人が週40時間勤務をすれば、3人目は20時間の勤務ができる人を配置する必要があります。他にも実情に応じての理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の配置があり、人材確保には時間をかけるなど余裕を持った対策が必要になります。条件面の3つ目の注意点としては設備面があります。ここでは事務所としての専用区画や設備、備品等が規定されており、例えば、鍵付きロッカーが必要になるなど内容も細かく、十分に確認をして準備をすることが大切になります。

開業における資金面での注意点について

注意点の中でも資金面に関しては訪問看護の開業においては非常に大きな要素となります。開業では始めて会社経営に携わる人も多く、申請等で求められる条件も細かなために必要以上に装備等を求めてしまうことがあります。確かに事務所や設備など装備面がしっかりしていることで理想的なスタートを切ることはできますが、ここでは、人員も含めて過剰な準備には注意をする必要があり、出来るだけ初期投資を抑えて進めることが重要になります。収支に関してシミュレーションを行うことも大切なことになり、損益分岐点には注意をする必要があります。平成26年の実態調査においては派遣回数201~400回ではー5.1%と利益率がマイナスとなっており、401~600回では1.2%の利益率となっています。当然、より以上に派遣回数を増やせば利益率も向上することになりますが、この場合人員確保の問題が出てくることになります。訪問看護においては実態としては地域差もあり、開業においては各都道府県に設けられている全国訪問看護連絡協議会等の活用も考慮して進めていく必要があります。”